16.権力分立の原理 16−1 古典的権力分立     1.意義  権力分立(separation of power)   …国家権力が単一の国家機関に集中すると、権力が濫用され、国民の権利・自由が侵される恐れがあるので、国家の諸    作用を性質に応じて立法・行政・司法というように【区別】し、それを異なる機関に担当させるよう【分離】し、相    互に【抑制と均衡】を持たせる制度。 2.特性   自由主義的…権力の集中により権力が濫用され国民の自由が侵されないように国家権力から国民の自由を守る。   消極的…消極的に権利の濫用または恣意的な行使を防ぐための原理。   懐疑的…権力分立は国家権力及びそれを行使する人間に対する不信任から出発した発想である。   中立的…政治体制の如何を問わず当てはまる原理である。 3.三者の位置づけ   ヨーロッパ−議会優位   アメリカ−裁判所優位   日本−議会内閣制・違憲審査制(中間型) 16−2 権力分立の現代的変容     1.行政国家現象   人権保障の実質化の要請− 専門技術性 迅速円滑な行政対応   国家の積極的活動を要請→行政国家化 具体的現れ 行政権の権限増大 委任立法の増大 内閣提出法案の増大   行政国家現象の評価  メリット‥福祉主義の実現に資する。 {デメリット‥自由主義に反する(行政権による介入) 民主主義に反する   対処法  国会‥議会主義の復権(民主的コントロール)    裁判所‥違憲審査権の活用(自由主義的コントロール)    地方自治‥団体自治の強化(中央との対峙)    国民‥情報公開請求等監視 2.政党国家現象  …国民と議会を媒介する組織として政党が発達し、政党が国家意思の形成に事実上主導的な役割を演ずる現象。   →議会と政府(行政)の関係が緊張関係というよりも協力関係に変容している。 3.司法国家現象  …法の支配のもと、裁判所による違憲審査性により、司法権が議会・政府の活動をコントロールする現象。